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化粧品は医薬品ではない③

化粧品に含まれるサリチル酸は、皮膚科医が使っている薬の1000分の1~1万分の1程度と、非常に薄められたものです。いわば医薬品とは別のものなのです。医薬品は、何度も試験を繰り返して効果と人体への影響を証明しなければなりません。そのために承認されるのに時間がかかります。しかし、化粧品では、含有される成分の上限を設けることで人体への影響を極力少なくし、臨床試験を行わなくても商品化できるようにしているのです。つまり、化粧品のサリチル酸は、医薬品として使用されているものよりも効果は薄く、たくさん使用しても肌にあまり影響を与えないものといえます。

化粧品に薬のような効果を求めても仕方がありません。きちんと治療を受けるならば、医療機関を受診して二キビ治療を受ける方が効果的です。化粧品と医薬品は別ものですが、「医療用で使用されている成分」と聞けば、買う側としては、なんとなく安心です。また「美白」と記載されていれば、まるで本当に美白の効果があるように感じられてしまいます。もちろん、現在使われている化粧品が、ご自身のお肌に合っているものであれば問題はありません。ただし、中には、広告宣伝文句に惑わされて、逆に肌にダメージを受けるような商品を使っている人もいるので注意が必要です。

化粧品に配合されている成分は、厚生労働省で定められた方法で作られているため、本来は、人体に悪影響を与えるものはありません。ただし、スギの花粉で花粉症になるように、自然界のものでもアレルギー反応を起こす、あるいは、刺激になるものはあります。ご自身の肌を保護できるような化粧品を選んでいただきたいと思います。また、使用されていて肌荒れなどを感じたら、「美白」の二文字にこだわることなく使用することを止めてください。そんな化粧品を使い続けていたら、逆にみなさんの肌に悪影響を与えます。思い切って捨ててしまう勇気も持ってください。

化粧品は医薬品ではない②

化粧品は医薬品とは違います。たとえば、ニキビやその跡を改善してくれる化粧品がありますが、その成分を見るとサリチル酸と書いてありました。サリチル酸は、強い酸性で、肌の表面の角質層を溶かすことができます。皮膚科でもケミカルピーリングという治療で使用しています。ただし、「皮膚科の治療でも使われているから、その成分が入っている化粧品も効果がある!」と思うのはちょっと待ってください。治療で使っているものと、化粧品には大きな差があるのですから。みなさんは、なぜニキビができるかご存知ですか? 肌の表面には毛穴があって、この中には、皮脂を分泌する皮脂腺があります。

皮脂は、脂でお肌のうるおいに関係しています。この脂がないと肌は乾燥してバリア機能も破壊されてしまいます。お肌にとって必要不可欠の脂ですが、この皮脂が大好きな細菌がいるのです。それが「アクネ菌」です。目には見えませんが、皮脂腺の中にはアクネ菌がすんでいて、皮脂をエサにしています。通常は、このアクネ菌は悪さをすることはありません。ところが、肌の表面の死んだ細胞や汚れなどで毛穴が詰まると、一気に皮脂腺の中でアクネ菌が増殖してしまうのです。

それを退治しようと身体の免疫細胞も闘いを挑み、詰まった毛穴の中で大乱闘が繰り広げられるとイメージしてください。その炎症の結果が二キビです。ニキビの治療では、詰まった毛穴を開いて増えすぎたアクネ菌を外に出し、炎症を抑えるのが一つの方法です。その毛穴を開くために使われているのが、サリチル酸です。肌の表面を溶かして毛穴を開くのですが、さじ加減を間違えると肌の表面を破壊しすぎてバリア機能も破壊してしまいます。だから専門技術を持った医師が治療を行っているのです。そんな医師が使用している薬の成分が入った化粧品を使って安全だと思いますか? 答えはノーです。

化粧品は医薬品ではない①

百貨店やスーパー、ドラッグストアなどに行くと、化粧品売り場にはさまざまな商品が並んでいます。みなさんはどのような化粧品をお持ちですか。メイク落とし、洗顔料、化粧水、美容液、乳液、クリーム、ファンデーションの下地、ファンデーション、チーク、アイシャドー、アイライン、眉墨など、日頃使われているものはたくさんあると思います。これらの化粧品を選ぶときに、何を基準にしていますか。好みのブランド、ファッションリーダーの助言などを参考にする以外に、「美白」という言葉に反応しませんか。また、「コラーゲン」や「ヒアルロン酸」配合の商品に、注目することが多いのではないでしょうか。

「コラーゲン」や「ヒアルロン酸」については以前紹介しましたが、肌の表面に対する保湿効果はあっても、肌の奥へそれらの成分を届けることはできません。肌の表面から吸収できないからです。美白についても、それを本当に実現できるのかどうか、疑問を感じざるを得ないといえます。美白を実現するには、シミの原因となるメラニン色素を生み出す色素細胞にアプローチしなければなりません。美容液には、色素細胞がメラテン色素を作りにくくするような成分を加えたものもあります。同時に、メラニン色素を身体の外へ排出しやすくするような成分も入っています。

これらの成分に本当に効果があれば、すでに「美白」を誰もが手に入れていることになります。しかし、どんなに一生懸命それらの化粧品を使っても、シミは消えない。そんなときに、「自分に合った化粧品を探すのはたいへん」「早く探さないとシミがますます増えちゃう」などと悩まれるようであれば、化粧品選びを止めていただきたいと思います。どの化粧品を使用されても「シミは消えない」からです。化粧品は医薬品ではありません。つまり、化粧品の美白効果は期待できないのです。効果がはっきりしているのであれば、化粧品ではなく医薬品として承認を受ける必要があります。

「魔よけ」化粧品のススメ②

情報社会である現代では、ファッション誌のリーダーが、新たな化粧品や使い方を伝授するたびに、女性のお化粧の仕方も変わってきています。自己アピールのお化粧は、今やファッションの一部ともいえるでしょう。ファッション性を求める化粧では、肌の保護よりも見た目が重視されがちです。肌に湿疹が生じれば使うのを止めるかもしれませんが、自覚症状がなければそのまま流行を追求する。丸顔やえらの張った顔をカバーするような化粧法もあるので、ファッション性に見た目の美しさが加わることで、「お化粧なしでは外出できない!」という女性がいても仕方のないことだと思います。

お化粧のいいところは、老化を隠すことができる点にもあります。シワやシミは、ファンデーションやコンシーラー、チークなどでカバーすることが可能です。しっかりとお化粧をすれば、少々のシワやシミも目立たなくなります。また、ご高齢の方がきちんとメイクをすることで、社会的なつながりを維持できるという考え方もあります。認知症の方にメイクをすると症状が改善するという報告もあり、幾つになってもお化粧は心の支えともいえるのです。

ただし、見た目とファッション性だけを追求せずに、若い頃から「魔よけ」のお化粧についても関心を持っていただきたいと思います。30代を過ぎれば肌の老化は加速します。老化を加速させるのは、紫外線だけでなく、厚化粧の成分も刺激になって悪影響を及ぼします。紫外線防止に気を遣いながらも、薄化粧を心掛けていただきたい。それが無理であるならば、せめてお化粧をしていないときには、肌の保湿を十分に行うようにしてください。化粧品は、みなさんを美しくしてくれるものかもしれません。しかし、肌にとっては外的な刺激になることを忘れないでいただきたいと思います。

「魔よけ」化粧品のススメ①

街ではさまざまな化粧をした女性を見かけます。最近では、男性でもお化粧をする人がいるほど、メイクアップは日常生活に当たり前のように溶け込んでいます。その一方で、「素肌美人」という言葉があるほど、スキンケアに対する関心も高い。素肌で美人ならば、わざわざお化粧をしなくても良いと思うのですが、なぜお化粧をするのでしょうか。太古の昔では、目や耳、口といった人間の身体の穴から、悪魔が入ってこないようにと、魔よけの意味で顔に染料を塗っていたそうです。医学は近代で飛躍的に発展しましたが、かっては抗生物質もなければ、人体の仕組みもよくわかっていませんでした。

流行り病に侵されて命を落とした人も多く、原因がわからないゆえに悪魔の仕業とされただけに、魔よけは必要不可欠だったのでしょう。現代のお化粧も、「魔よけ」として活用することができます。それは紫外線対策です。身体は長袖や長ズボンなどの衣類で覆うことができ、真夏の紫外線もカットすることが可能ですが、顔はむき出し状態。ベールで覆う人は別として、一般的には化粧品で顔の肌を保護することが重要になります。UVカットの化粧品を用いるだけでなく、肌の表面を保護するための「保湿」も重要な役割を果たします。化粧ギライな人もいるかもしれませんが、男性でも、肌の保護目的のお化粧は必要といえます。

一方で、古代から中世にかけては、化粧は自己アピールのために使われてきたそうです。高貴な身分の人が、その地位を示すために高価な顔料を塗る。白い粉には水銀や鉛を含んでいたために、当時は鉛中毒になってシミができやすく、肌が変色する人もいたといわれています。見た目を重視すると肌にとっては逆効果。それでも、お化粧がなくなることはありませんでした。他人よりも外見をよく見せたいというのは、動物的な本能かもしれません。鳥類では、派手な色の羽を持つオスがいます。

メスによりよいパートナーとして自分をアピールするために、遺伝子的に派手な羽を持っています。人間の肌には、派手な文様はありません。男女の身体差はありますが、顔の美しさで自己アピールをするならば、化粧は手っとり早い手段となると思います。しかし、時代と共に化粧の好みは変わってきました。江戸時代では、当たり前のように行われていた歯を黒く染めたお歯黒は、今や見ることはできません。また、一時、若い女性の間で流行った「ガングロ」も、最近では見かけなくなりました。

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