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「魔よけ」化粧品のススメ①

街ではさまざまな化粧をした女性を見かけます。最近では、男性でもお化粧をする人がいるほど、メイクアップは日常生活に当たり前のように溶け込んでいます。その一方で、「素肌美人」という言葉があるほど、スキンケアに対する関心も高い。素肌で美人ならば、わざわざお化粧をしなくても良いと思うのですが、なぜお化粧をするのでしょうか。太古の昔では、目や耳、口といった人間の身体の穴から、悪魔が入ってこないようにと、魔よけの意味で顔に染料を塗っていたそうです。医学は近代で飛躍的に発展しましたが、かっては抗生物質もなければ、人体の仕組みもよくわかっていませんでした。

流行り病に侵されて命を落とした人も多く、原因がわからないゆえに悪魔の仕業とされただけに、魔よけは必要不可欠だったのでしょう。現代のお化粧も、「魔よけ」として活用することができます。それは紫外線対策です。身体は長袖や長ズボンなどの衣類で覆うことができ、真夏の紫外線もカットすることが可能ですが、顔はむき出し状態。ベールで覆う人は別として、一般的には化粧品で顔の肌を保護することが重要になります。UVカットの化粧品を用いるだけでなく、肌の表面を保護するための「保湿」も重要な役割を果たします。化粧ギライな人もいるかもしれませんが、男性でも、肌の保護目的のお化粧は必要といえます。

一方で、古代から中世にかけては、化粧は自己アピールのために使われてきたそうです。高貴な身分の人が、その地位を示すために高価な顔料を塗る。白い粉には水銀や鉛を含んでいたために、当時は鉛中毒になってシミができやすく、肌が変色する人もいたといわれています。見た目を重視すると肌にとっては逆効果。それでも、お化粧がなくなることはありませんでした。他人よりも外見をよく見せたいというのは、動物的な本能かもしれません。鳥類では、派手な色の羽を持つオスがいます。

メスによりよいパートナーとして自分をアピールするために、遺伝子的に派手な羽を持っています。人間の肌には、派手な文様はありません。男女の身体差はありますが、顔の美しさで自己アピールをするならば、化粧は手っとり早い手段となると思います。しかし、時代と共に化粧の好みは変わってきました。江戸時代では、当たり前のように行われていた歯を黒く染めたお歯黒は、今や見ることはできません。また、一時、若い女性の間で流行った「ガングロ」も、最近では見かけなくなりました。